酒と猫と株と

まさに生き甲斐!

藍青蛍。

藍青蛍。

なんて読むと思います?

ぼくもわからないんです。

蛍だってのはわかるんですけどね。

ネットでも調べたのですが出てきません。

 

何の話かというとですね、

前回に引き続き、

松本零士先生の漫画「ザ・コクピット」のお話です。

 

戦場まんがシリーズの短編作品をまとめたのが「ザ・コクピット」。

その中で一番好きな話がありまして。

それが「藍青蛍」。

 

ストーリーは、

南方の島の戦地から

日本に向かう貴重な物資や秘密資料を満載した潜水艦を

空から戦闘機"鍾馗”(しょうき)に乗って護衛の任務をまかされた

若いパイロットの主人公"忠”。

には年老いた貧しい生活をしている母親がひとりいる。

 

戦地で重傷を負った戦友が同乗する潜水艦を

体当たりで自分の命と引き換えに敵の攻撃から守り、

その魂が遠い日本の田舎に住む母のもとへ蛍となって帰る・・

という話です。

 

最後のシーンは

8月15日(終戦の日)、

いつもの夏より蛍がたくさん飛んでいた夏の夜。

 

窓から一匹の蛍が入ってきて、

それをみた母親が

「忠よ、帰ったかぁ、腹減っただろう」

そういってお茶碗一杯の麦飯を差し出したら

蛍が熱い麦飯の上にとまった・・

「やっぱり忠じゃ!!」

そのまま蛍は光らなくなって死んでしまう。

 

「わしゃな、

その蛍を一晩中抱いて子守唄を歌ってやったよ・・」

 

夜中に蛍を手にのせて見たとき、

母親の涙が蛍にかかると

蛍はかすかにひかって消えてしまう。

その時、母親の耳に忠の声を聞いた

「母ちゃん‼」と・・

 

読み終わった日の夜、

一晩中泣きました。

漫画でこんなに泣いたのは

後にも先にもこの作品だけ。

アニメの「火垂るの墓」も泣きましたがそれ以上だったかもしれません。

 

もし機会があればぜひ読んでください。

ちなみに「ザ・コクピット」単行本の7巻に掲載されています。